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ハンダ付け

5月も終わりに近付き、日に日に暑さが増してきましたね。

つい先日まで朝晩は冷え込み、まだまだ長袖は必需品かなと思っていたのですがそんなことはなさそうです。




さて、今回は先日ご依頼いただいたトロンボーンのハンダ付けの事を書きたいと思います。



ハンダが外れていたのはスライドの先にある唾抜き(ウォーターキィ)の台座です。

この唾抜きキィは名前の通り楽器の演奏時に溜まる水分や唾を抜くところで、金管楽器のほとんどは楽器を構えて演奏した際に一番水滴の溜まりやすい部分についています。

そして、管体のハンダ付けの中で比較的外れやすい箇所(短期間にしょっちゅう取れるというわけではありません)でもあります。


なぜ外れやすいのでしょう?

自論ではありますが、1つは唾を抜く際に出る水と思われます。管内の溜まっている水は唾抜きの作業で外に出ていきますが、その際に跳ねた水滴が唾抜きや台座に残り、台座のハンダの劣化を早めてしまいます。

そしてもう1つ。唾抜きキィには、キィを動かし開閉させるためにバネが付いてますが、このバネの圧力によってキィと台座には常に負荷がかかります。そしてハンダが劣化してきた際、負荷に耐えきれず台座が外れてしまうのだと思っております。


今回ご依頼いただいた楽器は、ハンダが外れてから応急で付けたのか接着剤の痕が多く見られました。


演奏本番直前など、時間や道具もなく修理技師も居ない状態で不意に外れたハンダを接着剤で付ける事もあるとは思います。

ただ、そういった緊急時でない場合は接着剤で止めないでいただきたいと言うのが本音の所です。

接着剤が付いていると、それが邪魔してそのままではハンダが付かない。と言うのもありますが、接着剤の成分が悪さをするのか、接着剤を剥した際接着剤と共にラッカーも剥れている事があるからです。

状態がきれいな楽器程、仕上がった際のラッカーの有る部分と無い部分との差は目立ちやすいですので、緊急時でない限りは修理技師に依頼してしっかりと付け直していただく事をおすすめします。



話は戻りまして、唾抜きの台座とスライド側の接着剤と古いハンダを取り除き、台座を適切なポジションに持ってきてハンダ付けをした直後のものが下の写真です。

(合間の写真は撮り忘れてました…)

写真は焦点が合っておらず少しボケて見えにくいと思いますが、台座の周りの少し赤みがかった部分はハンダ付けの際の熱やハンダ付けに使うフラックスによる化学反応です(確か)。

この赤みがかった部分や付いたフラックスの残りを拭き取ったり磨いたりしたものが下の写真です。

接着剤の有った部分のラッカーが剥がれは、市販のコーティング剤で簡易的ではありますが部分塗装して、キィを付け戻して仕上りです。

(そして完成した時の写真はまた撮り忘れてました…)



唾抜きが台座ごと外れると水だけでなく息もれもしてしまい、音が出なくなったり変な音になったりしますし、古い楽器ですと特に事故をしたわけでもないのにいきなり外れたりして驚き焦ると思います。

でも、その場しのぎで接着剤を使ったりはせず、早めにお近くまたはなじみの技師の方に修理をご依頼ください。


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